精神疾患が2つ以上ある場合の障害認定

同一傷病とされる場合

精神科領域の受診がある場合には、傷病名の変更があっても、社会的治癒と判断された場合を除き、最初の受診日を初診日とするのが原則と考えられます。
例として「適応障害、不安障害(パニック障害、パニック発作などを含む)や初診では「抑うつ状態」と診断されその後に「うつ病」と診断された場合は、相当因果関係ありと考えてよいといえます。これらの場合は、通常、診療期間中に診断名の変更があったと考えられます。

別傷病と認定される可能性がある場合

以下のようなケースだと別傷病とされる可能性があると考えられます。
てんかんと他の精神障害

以下のどちらかが、前発傷病または後発傷病の場合です。

 

・統合失調症等(ISD-10 F2)      
・気分[感情]障害(ISD-10 F3)  ⇔ てんかん

・発達障害

・知的障害

 

てんかんは、発作時ばかりでなく発作と発作の間の時期(発作間欠期)にも、さまざまな精神症状を示すてんかん性精神病もあることから、てんかん性精神障害等とひとくくりに診断可能な場合には、同一傷病と認定される場合が多いようです。
前発初診から長期間が経過した後に後発の初診日がある場合には、診断書作成医により別傷病と診断される可能性が出てくると考えられます。この場合は原則として別傷病として請求することになります。
ただし、後から見ると、もともと合併していたというケースもあるので、医師に対して十分な確認をする必要があります。

 

 

器質性精神障害と他の精神障害

《前発傷病》                           《後発傷病》
・統合失調症等(F2)
・気分[感情]障害(F3)    ⇔  器質性精神障害
・てんかん
・発達障害
・知的障害

ここでの器質性精神障害とは、先天性のものでなく、高次脳機能障害やアルツハイマー型認知症などの後発性のものとします。別傷病とされる可能性があるのは、例えば、うつ病で治療中の方が、脳出血や脳梗塞などの脳卒中を発症し、高次脳機能障害の記憶障害が生じたようなケースです。
これとは逆に器質性精神障害の後に、統合失調症(F2)、気分[感情]障害(F3)、てんかんまたは発達障害と診断された場合には、これら後発傷病の原因が器質性精神障害によるとされたとき、または器質性精神障害の病態として後発傷病の病態を示しているとされたときには、同一傷病となります。
ただし、器質性精神障害の後に他の精神障害が発症したケースであっても、診断書作成医が別傷病と判断し病名が併記された場合には、認定上も別傷病と認定される可能性があります。
つまり、その病態または前発傷病の初診から後発傷病の診断までの期間などにより、同一傷病か別傷病かが認定されるものと考えられます。
いずれにしても、これらのケースは、診断書作成医に、その相当因果関係について十分な確認をする必要がある案件です。

前発傷病と後発傷病が別傷病とされた場合には、それぞれの初診日を特定し、請求方法を検討することになります。

精神の場合には別傷病であっても、病態を分けることができないことが多いので、併合は総合認定で行われる可能性が高くなります。

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