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躁うつ病(双極性障害)について

傷病名「躁うつ病(双極性障害)」で障害年金を申請するなら、「躁うつ病(双極性障害)」という病気の症状、病状の経過、処方薬等についてよく知っておくことが必要です。
病歴・就労状況等申立書を作成するときに大いに役立ちます。
もちろん、病気をよく知っておくことが良い治療を受けることにもつながります。

躁うつ病とは、「双極性障害」ともいわれます。気分が高い時(躁)、低い時(うつ)といったように気分の波に2つの山があるということから「双極性障害」と呼ばれています。
双極性障害の生涯有病率は1%といわれており、割合としては統合失調症とほぼ同程度と言われています。なお、双極性障害は性別による発病率に差がないと言われています。

双極性障害の症状について

症状の経過中に気分の落ち込みと気分の高揚を認められるものが「双極性障害」と呼ばれます。気分の落ち込みはうつ病とされますが、気分の高揚は躁病と軽躁病に分けられます。

躁病も軽躁病も特徴的とされる症状は同様のものです。

躁病の主な症状は次のとおりです。

(1)持続的に高揚した開放的またはいらだたしい気分
躁病の基本となる症状です。なんとなくすっきりした感じがして(多幸感)、ちょっとしたことに対してイライラしやすい(易刺激性)という症状です。これに加えて次の症状を満たす場合に躁病・軽躁病と診断されます。

(2)自尊心の肥大・誇大
自分は能力が高い、すばらしい人間であると感じることを「自尊心の肥大・誇大」といいます。これらがさらに膨らむと、近い将来自分は大富豪になれる、本を出せば必ずベストセラーになるなどといった誇大妄想に発展することもあります。

(3)意欲と行動の異常
躁病では、次から次へとしたいことを思いつくため、そのために投資をしたり買い物をしたりします。(目標指向性の活動・快楽的活動への熱中)。これらの行動をまとめて「逸脱行動」といいます。また、やらなければならないことがあるので寝る時間がもったいないと思います。(睡眠欲求の減少)。ほとんど寝なくても元気に活動することができます。そして人と話始めると止まらなくなります。(多弁)。

(4)観念奔逸/注意散漫
観念奔逸とは、アイデアが次々と浮かぶため、話しの展開が早すぎて会話としてのまとまりを欠いた状態をいいます。観念奔逸では、アイデア同士のつながりは表面的にあるのですが、かなり浅いもので、さらに注意も散漫しやすいため、さらに話が脱線しやすいという傾向があります。

双極性障害の分類

躁病も軽躁病も症状は同様です。違いは、症状の持続期間と強さになります。この違いを簡単にいうと「入院が必要なレベルかどうか」ということになります。躁病は入院が必要なレベル、軽躁病は入院は不要な状況です。

双極性障害は「双極Ⅰ型障害」と「双極Ⅱ型障害」の大きく2種類に分類されます。躁病を経験したことがある場合は、「双極Ⅰ型障害」と診断されます。うつ病に加えて軽躁病を経験したことがある場合には「双極Ⅱ型障害」と診断されます。躁病は明らかに病的とわかるため診断がつきやすく、軽躁病の場合は社会的に大きな問題を呈していないことが判断の根拠とされますので、一見したところでは病的かどうかの判断が困難なことがあるそうです。そのため双極Ⅱ型障害の診断には、必ず過去にうつ病の診断基準を満たすこと、という条件がついています。

躁うつ病(双極性障害)で障害年金を申請する場合の留意点

傷病名「躁うつ病(双極性障害)」により障害年金を申請する場合、うつの状態では抑うつ気分、意欲・気力・集中力の低下、易疲労感、倦怠感、億劫感、希死念慮などのうつ症状により日常生活や就労にどのような支障がどの程度生じているかを病歴・就労状況等申立書に具体的に記載することが大切です。

また、躁状態に転ずると行為心拍、多弁多動、気分(感情)の異常な高揚・刺激性、観念奔逸、易怒性・被刺激性亢進、誇大妄想などの躁症状により会社でトラブルを起こす、借財をする、家族に無断で高額な買物をするなどの問題行動を起こすことにより日常生活や就労にどのような支障がどの程度生じているかを病歴・就労状況等申立書に具体的に記載するようにしましょう。

出来上がった診断書を受取ったら、診断書項番⑩障害の状態のア現在の病状又は状態像の欄にⅠ抑うつ状態とⅡそう状態に〇が付き、Ⅰ抑うつ状態のときの症状、Ⅱそう状態のときの症状は、どこに〇が付いているかを確認しておきましょう。

 

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