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以前行われた各都道府県における障害基礎年金の認定事務の実態調査で、障害基礎年金が支給されやすい地域とされにくい地域の都道府県格差は最大6倍との結果が出ました。この地域格差は、精神障害及び知的障害の認定において、地域により支給されやすい地域と支給されにくい地域がある事が判明しました。
この地域格差を是正するために作られたのが、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」(以下、等級判定ガイドライン)です。医師の判断が難しい精神障害・知的障害を対象に細かく基準を定めたもので平成28年9月から導入されています。等級判定ガイドラインにより認定診査は、次の流れで行われています。
精神の診断書の記載項目である「日常生活能力の程度」及び「日常生活能力の判定」を数値化して組み合わせ、認定する等級の目安とする。
↓判定平均 程度→ | (5) | (4) | (3) | (2) | (1) |
3.5以上 | 1級 | 1級又は 2級 | |||
3.0以上3.0未満 | 1級又は 2級 | 2級 | 2級 | ||
2.5以上3.0未満 | 2級 | 2級又は 3級 | |||
2.0以上2.5未満 | 2級 | 2級又は3級 | 3級又は 3級非該当 | ||
1.5以上2.0未満 | 3級 | 3級又は 3級非該当 | |||
1.5未満 | 3級非該当 | 3級非該当 |
1.「程度」は、診断書の記載項目である「日常生活能力の程度」の5段階評価を指す。
2.「判定平均」は、診断書の記載項目である「日常生活能力の判定」の4段階評価について 程度の軽いほうから1~4の数値に置き換え、その平均を算出したものである。
3.表内の「3級」は、障害基礎年金の認定する場合には「2級非該当」と書き換えることとする。
認定診査医員が障害等級の目安を参考としつつ、診断書や補足資料から考慮して総合的に評価する。
総合評価は、診断書の内容を精査し、次の5つの要素から行われます。
①現在の病状又は状態像
②療養状況(入院・外来の状況、治療歴など)
③生活環境(同居人の有無、福祉サービスの利用状況など)
④就労状況
⑤その他
※①・②は、診断書の表面、③・④は、診断書の裏面
等級判定ガイドラインの目安表では2級相当だったにもかかわらず、以下の方は次の理由から不支給となったとの情報があります。(他事務所からの情報です。)
不支給理由 | 傷病名 | なぜ不支給とされたのか |
・一人暮らしをしている。 | うつ病 | ・日常生活能力が一定以上あると診査される。ヘルパーの派遣など公的福祉サービスを利用している、近所に日常生活の援助者がいるなど日常生活の援助を受けていれば2級が認められる可能性がある。 |
・薬が少量である。 | うつ病 | 病状が軽いと診査された。 |
・特別支援教育を受けていない。 | 知的障害 | 知的障害が軽いと診査された。 |
・不適応行動がない。 | 発達障害 | 「障害年金の診断書記載要領」には、次のような行動が「不適応行動」として例示されている。 □自傷他害行為 □周囲の人に恐怖や強い不安を与える行為(迷惑行為や突発的な外出など) |
・大学に進学している。 | 軽度知的障害 | IQが境界より高いと診査される。 |
・一般就労している。 | 統合失調症 | 厚生年金、健康保険に加入して一般就労していると3級にもならない可能性が高い。 |
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